栽培面における品種特徴

北海道で栽培されている小麦は、近年品種の多様化が進んでいます。小麦粉に品種特徴がでるように、畑での生育の具合や栽培管理が違ってきます。
ここでは、小麦ヌーヴォーで味わう品種について紹介させて頂きます。

<秋播き小麦> 秋に種を播き、雪の下で越冬し、翌年の夏に実る小麦です。

【ホクシン】

(中力品種) 平成 7 年から本格的に栽培が始まりました。それまでの主力品種だった”チホクコムギ” に比べ、雪耐性・うどんこ病抵抗性・穂発芽耐性に優れていることや、収穫量が 1 割程多く期待できることから、作付が拡大しました。
現在は、”きたほなみ”に移行が進み、作付はほとんどされていません。

【きたほなみ】

(中力品種)
“ホクシン”から切り替わり、平成 23 年から本格的に栽培が始まりました。”ホクシン” に比べ収穫量が 2 割程多く期待できること、穂発芽耐性が優れています。
ただし、穂数が多くなりやすく、茂りすぎによる倒伏の注意が必要です。
平成 27 年は”ホクシン”に比べ 2 割以上の大豊作となりましたが、天候の影響も多く受けやすく、毎年生産者さんは栽培に努力されています。

【ゆめちから】

(超強力品種) 平成 24 年から本格的に栽培が始まりました。中力品種とブレンドすることで、パンや麺類など用途が広がるが期待され普及しています。
近年感染が広がっている小麦縞萎縮病に対する耐性があり、被害がでている地域でも栽培できる品種として期待されています。
畑の状態や天候状況で小麦の葉が黄化する現象がみられることやタンパクが低くならないように管理する必要があります。

【キタノカオリ】

(強力品種) 小麦粉にすると黄色みがかっていて、特徴のある甘味、製パン性にも優れていることから実需の評価は非常に高い品種です。 しかし、収穫時期の雨や登熟期の低温で、穂発芽や低アミロ化する特性があり、生産者さんにとってはリスクが非常に高い品種となっています。
そのため、作付は年々減少傾向にあります。

<春播き小麦> 春に種を播き、その年の夏に実る小麦です。

【はるきらり】

現在主力の品種である“春よ恋”の後継品種として育種された品種です。
既存の春播き小麦は、”キタノカオリ”と同じように、降雨により穂発しやすく、また、カビ毒である DON(デオキシニバレノール)が発生しやすい特性があります。
“はるきらり”は、それらのリスクが低い品種です。